四條畷市・大東市の予防管理型歯科医院

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オリンピックと歯の話

リオオリンピックが無事に終了した。今回もっとも活躍した選手の一人に,男子100メートルで優勝したジャマイカのボルド選手がいます。

両手を広げ駆け抜けたタイムが9秒81。人類史上最速男の3連覇は記憶に新しいですね。

そう言えば、前回の北京オリンピック100m女子。優勝したのは,ブレーザ選手。

ところが彼女を良く見ると歯の矯正装置が入っていた。歯科医師の眼から見て,歯並びに問題が出る骨格ではなさそうなのに・・。どうして歯の矯をしたのだろうか?矯正をすることで,それだけ成績がアップするものなのか? 

さて,ヒトの骨格は左右対称にできています。どうしてだろう?

その理由を述べてみましょう。広い公園でまっすぐに歩いてみます。

ところが,不思議なことに目を閉じて歩くと歩けなません。少し歩くと,いつの間にか左右に大きくずれています。目で目標物を捕らえているから,まっすぐに歩けることがわかります。

それでは,目を閉じるとどうして歩けないのか?これは歯の噛み合わせが関係しています。

例えば,目を閉じて顎を右側に寄せて歩きます。そうするといつのまにか,右に大きく傾いている。反対の場合でも同様です。だから歯や骨格は左右対称なのです。

そう言えば,水泳でも背泳の選手は天井のどこかを基準にして泳ぎます。そうしないと,まっすぐ泳げないで曲がってしまうのです。 

話は戻って,ここで大胆な仮説をたててみました。さて100m走で,第1歩が5度ずれてダッシュすると仮定します。そうすると計算上では,100m40cm。つまりその選手は,40cm余分に走らなければなりません。この調子で10度ずれると1.6m,30度では15.5mとなります。

計算は,三角関数のコサインの逆数を求めればよいのです。

さらに100mを10秒で走る選手であれば,5度ずれれば10秒04。10度では10秒16,30度では11秒55もかかってしまう計算になります。これでは試合に勝てません。

身体のバランスの悪さが,記録に影響することがわかります。そこで噛みあわせを調整する必要があります。

これは試験勉強を考えればわかりやすいです。例えば平均60点を目指せば,一夜漬けでも取れるでしょう。しかし平均70点を取ろうと思うと,日頃からよく勉強する必要があります。

それでは常に80点をキープするにはどうすれば良いでしょうか?

70点の数倍の勉強量が必要です。さらに90点以上では,どうでしょう?  

1点アップするための努力は,生半可なものではありません。

オリンピック競技では,常に人間の可能性の限界に挑戦します。記録をアップさせるすべての要因を考え試合に臨むのです。

アメリカでは30年以上前から,試合の前には歯の噛みあわせを調整していたと言います。

ジャマイカのブレーザ選手にとっても,一つの可能性が歯の矯正だったに違いないと思っています。